読書ファイル   2003年11-12月

加藤弘一
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September 2003

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メルキオール 『現代フランス思想とは何か』河出書房

 

 

 

 文学の真の対象は、むしろ、世界に関する人間的経験である。偶然的な意味あるいは間接的な意味でなければ、文学が言語に関するものであったり、文学的な工夫や文学的な慣例に関するものであったりすることはほとんどない。しかし、文学は、現実的なものであろうと、つねに「人生」に関するものである。マシュー・アーノルド、あるいはついでに言えば、あの善良なジョンソン博士は、この点に関して、ロラン・バルトあるいはフォルマリズムに与する批評家たちよりも賢明だった。……中略……

フォルマリズム流の大騒ぎのおかげで、構造主義的批評ならびにポスト構造主義的批評は、最良の現代文学の大多数が有する道徳的な意義を解読するという困難な問題にけっしてこたえることができなかった。ズヴェーヴォ、ムージル、カネッティ、ソルジェニーツィン、シャーシャ、ハントケ、ミラン・クンデラについて、「テクストに憑かれた者たち」は、忘れがたき言葉を一言も書かなかった。そしてこれは、おそらく、構造主義批評とその続篇に対するもっとも過酷な告発だろう。

 

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