参考文献一覧



加藤弘一
単行本
雑誌特集号
記事・論文・座談会


単行本

芝野耕司 『JIS漢字字典』

 JIS X 0208:1997原案を作成した JCS委員会で委員長をつとめた芝野耕司氏が編纂したユニークな漢字字典です。詳しくは読書ファイルで。

阿辻哲次 『教養としての漢字学』 大修館書店刊

 説文研究の第一人者による漢字関連のエッセイ集で、とても勉強になります。留学時代の体験をもとにした簡体字に関する章は貴重です。

ケン・ランディ 『日本語情報処理』 ソフトバンク刊

 DTPの老舗、Adobe Systems社で日本語処理系を担当するランディ氏による体系的な著作で、文字コード問題の基本図書といえます。図表や漢字表、文字コード表を多数収録しています。

吉田智子他 『マルチリンガル環境の実現』 プレンティスホール刊

 ISO 2022系で多言語環境を実現したMuleと、Unix上の日本語変換ソフトWnnを、開発グループ自身が解説しています。各国の文字コード表の最初の部分を多数収録しています。

太田昌孝 『いま日本語が危ない』 丸山学芸図書

 インターネット上で多言語(正確には多スクリプト)伝送をいちはやく規定した ISO 2022JP2(RFC1554)の提唱者で、JCS委員会WG2のメンバーでもある太田氏の著作です。ISO 2022復興の立場から、Unicodeに対して厳しい批判をおこなっています。内容的に高度ですが、必読の本といえましょう。

坂村健 『コンピュータいま何がなぜ?』 読売新聞社刊

 TRONのプロジェクトリーダー、坂村氏によるパソコン全般の初心者向け解説書です。

島田雅彦他 『電脳売文党宣言』 アスキー刊

 小説家で文藝家協会マルチメディア特別委員会委員長の島田雅彦氏を座長とする鼎談集です。第一部では井上夢人氏、笠井潔氏とともに小説家の立場でインターネットの将来を論じ、第二部では柳瀬尚紀氏と筆者とともに現状を考えています。

伊藤英俊 『漢字文化とコンピュータ』 中公PC新書刊

 NECの関連会社でフォントを担当し、JCS委員会の委員を長くつとめた伊藤氏による入門書。特に読む必要はないでしょう。

平凡社編 『電脳文化と漢字のゆくえ』 平凡社刊

 漢字、文学、植物学、点字、姓名研究、システム開発にかかわっている14名の筆者が文字コード問題を論じた包括的な本です。
 巻末の白川静氏と江藤淳氏の対談は文明史の観点から漢字の将来を考えていて、必読です。



雑誌特集号

『しにか』Sep 1990 「いま漢字の規格化を問う」 大修館書店刊

 JIS X 0212(補助漢字)をめぐる論考を集めています。制定の背景に迫った松尾博志氏の「漢字の行政を追う」に注目。

『しにか』Feb 1993 「漢字コードの国際標準化」 大修館書店刊

 ユニコードをとりいれたISO 10646-1をめぐる論考を集めています。田嶋一夫「国際標準化のための活動と経緯」と加藤重信「国際標準化活動における日本の活動」は、ISO 10646-1制定の経緯を、微妙に異なるニュアンスで解説しています。 。

『人文学と情報処理』No.10 「文字コード 現状と未来」 勉誠社刊

 JIS表外字のあつかいをめぐる国文学研究者のあの手この手の工夫がおもしろいですが、みなさん、苦労しているんですね。

『三田文学』Winter 1997 「ネットワーク時代と日本語の危機」 三田文学会刊

 文芸誌としてはじめて文字コードをとりあげ、多くの人に問題の存在を教えました。



記事・論文・座談会

坂村健他 「ネットワーク時代 日本語があぶない」 『TRONWARE』44 パーソナルメディア刊

 1996年12月のTRONショーでおこなわれたパネルディスカッションの記録で、吉目木晴彦氏と筆者がくわわり、文化論の視点から文字コード問題を論じています。手前味噌になりますが、わかりやすさと内容の広さでは、今のところ一番でしょう。

西垣通 「多言語時代を迎えたインターネット」『世界』97年10月号 岩波書店刊

 97年5月に、日本の通産省とUNIDO(国連産業開発機構)の肝いりで、シンガポールで開かれた第一回「多言語処理技術標準化国際シンポジュウム」の報告。非英語諸国に呼びかけ、UCS4でまともな多言語環境を実現しようという構想のようです。

上田純美礼 「Unicode」 『SUPER ASCII』Oct95 - Mar96 アスキー刊

 UnicodeとXKPを6ヶ月かけて紹介した連載です。Feb96にはISO委員でもある日立の小池建夫氏のインタビュー、Mar96にはXKP関係者の座談会があります。

ロバート・マイヤーズ 「Unicodeの自滅」 『Interface』Apr96 CQ出版刊

 文字の追加要求があいついで16bitではおさまらなくなり、サロゲート・ペア方式による拡張を模索するUnicodeの迷走を紹介しています。

野島正宏 「インターネットとWindowsと日本語」 『ASCII』Feb-Jun97 アスキー刊

 4回連載の解説記事で、Unicodeの立場と JCS委員会の立場に即した記述です。

川俣晶 「外字の過去、現在、未来」『The Windows』Feb96 ソフトバンク刊

 「Cross Tech Talk」という連載の一部ですが、XKPの仕様策定で中心的な役割をはたした川俣氏によるXKPの解説なので、ひじょうにわかりやすいです。



Copyright 1997 Kato Koiti
This page was created on Mar21 1997; Last Updated on Dec12 1997.



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