東京芸術劇場で「オフェリアと影の一座」を見た。地下の小劇場の方と思いこんでいたが、二階の中劇場(プレイハウス)の方だった。しかも、一階はほぼ満員だ。エンデの絵本が原作とはいえ、どう考えても一般受けしそうな芝居ではないが、旺なつきをはじめとする宝塚OGが四人出ているから、そのお客かもしれない。
舞台には幕はなく、三階くらいの高さから白い布が垂れ、その前に木の机と倚子が置かれている。両側には黒板ほどのスクリーンが二面づつ。
白石加代子が倚子に着き、机の上の分厚い本のような箱の蓋を開けると、元シルク・ド・ソレイユのフィリップ・エマールが手持ちのビデオカメラで箱の中を接写する。すると背後の白布の上部に箱の中のミニチュアの街が映しだされる。