メキシコでは12年間に40万人、ペルーでは10年間に400万人を虐殺とある。当時のメキシコ盆地の人口は100万人、ペルーは1000万人といわれているから、どちらも10年ほどで40%の住民を殺したことになる。信憑性の数字といっていいだろう。
「高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源 1876-1945」という副題がついているように、
本書の主人公である金一族は全羅北道の高敞の小地主だったが、金堯莢の代に開国をむかえるや、米の集散地、
日本から帰った金性洙は
「三上文法入門」ということだが、入門書にもリファレンスになりきれなかった中途半端な本。
旧石器偽造事件の直前に出た本で、のっけから秩父原人の話題が出てきて、新人と旧人は遺伝的つながりがないという「多数派」の説に異議を唱え、秩父原人と新人との混血で日本人ができたと暗示しているのが痛い。しかし、秩父原人説は本論とは関係なく、第二章以降は十分説得力がある。
「「人間らしさ」の崩壊」という副題がついている。
渡辺昇一氏の『英文法を知ってますか』で絶賛されていた本で、渡辺氏の肝煎で文庫化されたという。序文も渡辺氏が書いている。
初出時からこの題名だそうだが、英語の話はほとんど出てこない。英語に対する興味から本書を手にとった人は失望するだろう。
では、なにについての本かというと、Philology(文献学、博言学)についての本なのである。Philologyは異国の文化を研究する総合学として展開し、よい意味でのアマチュアリズムをたもっていた(博物学と似ている)。クルティウスが代表的な学者の一人として登場するといえば、おおよその見当がつくだろう。
ドイツやアメリカでは Philologyと言語学は明確に区別されているが、英国では Philologyの語に言語学も含めていたので、本書の「英語学について」という題名にも根拠はないことはない。しかし、大半がドイツの話なので、この題名はやはり不適当だと思う。