『愛と死の天使』

加藤弘一
*[01* 原 題<] Exposed
*[02* 製作年<] 1983
*[03* 監 督<] トバック,ジェイムズ
*[04* 出 演<] キンスキー,ナスターシャ
*[04*    <] ヌレエフ,ルドルフ
*[04*    <] カイテル,ハーヴェイ
*[04*    <] アンデルソン,ビビ
*[05* 製 作<] キング
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 1
*[06  時 間<] 101分
*[06* 音 声<] 英語モノ
*[06* 字 幕<] 日本語
*[06* 画 面<] ビスタLBX
*[07  特 典<] オリジナル予告編、文書資料
*[08* 作 品<]
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]
*[08* 音 質<]

 日本では劇場未公開作品だが、キャストがすごい。ナスターシャ・キンスキー、ルドルフ・ヌレエフ、ビビ・アンデルソンというヨーロッパでも別格の役者に、アメリカのハイブラウ映画を代表してハーヴェイ・カイテルがくわわる。これで芸術映画を作ったら、鬼に金棒ではないか。なぜ、日本で公開されなかったのだろう?

 理由は簡単。つまらないからだ。リーフレットにはテロリストに好意的な内容が問題になったとあるが、配給会社を甘く見てはいけない。すこしでもヒットする見こみがあれば、公開されていたはずだ。

 中西部の田舎町からニューヨークに出てきたエリザベス(キンスキー)がたちまちトップ・モデルになり、パリの写真展で知りあった謎の男と恋に落ちる。その男は世界的なバイオリニストだったが、テロの巻添えで殺された母の仇をとるために、エリザベスを囮にして、テロリスト・グループに接近しようとしていた……。

 と要約すればわかるように、ヨーロッパに対する文化的コンプレックスまるだしの映画なのである。ユーロピアン・テイストの洒落たサスペンス映画を作りたかったのだろうが、監督がイモすぎた。

 ナスターシャ・キンスキーはウィスコンシンの田舎娘には見えない。当時の彼女が「美しさの頂点」にいたのは確かで(モデルになる前、ニューヨークで右往左往する場面がすばらしい)、ヌレエフとの濡場もあり、ファンは買っておいた方がいい。それにしても、これだけの役者をそろえながら、惜しいとしか言いようがない。

 画質・音質ともVHSなみ。特典は予告編と主演三人の経歴だけ。

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This page was created on Apr14 2003.
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