『ロード・オブ・ザ・リング』
  スペシャル・エクステンデッド・エディション

加藤弘一
*[01* 原 題<] The Lord of the Rings: the Fellowship of the Ring
*[02* 製作年<] 2001
*[03* 監 督<] ジャクソン,ピーター
*[04* 出 演<] ウッド,イライジャ
*[04*    <] マッケラン,イアン
*[04*    <] タイラー,リブ
*[04*    <] ブランシェット,ケイト
*[05* 製 作<] ポニー
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×4
*[06  時 間<] 208+360分
*[06* 音 声<] 英語DTS、日本語5.1
*[06* 字 幕<] 日本語、英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] 音声解説(4種)[本篇ディスク]
*[07     <] トールキン・ドキュメンタリー、脚本ができるまで
*[07     <] ニュージーランド・ドキュメンタリー
*[07     <] 中つ国ドキュメンタリー[特典ディスク1]
*[07     <] ポストプロダクション&音楽メイキング
*[07     <] 撮影風景&SFXメイキング[特典ディスク2]
*[08* 作 品<]☆☆☆☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆☆☆☆

 第2部を見る前にDVDで見直してみた。劇場公開版よりも30分近く増え、2時間半の長尺となった。本篇ディスクは2枚にわかれ、1枚目は裂け谷の会議で終わり、2枚目は新たな出発からはじまる。自然な切れ目である。

 ディレクターズ・カット版とか、完全版、インテグラル版と銘打ったものには裏切られることが多いが、本作の場合、劇場版よりもDVD版の方がよかった。第2部とのつながり上、復活させた場面が多いというが、流れがとどこおるようなことはなく、人物や世界の描写が分厚くなっている。もともと劇場版は駆足だったので、DVD版が決定版ではないかと思う。

 音声解説は字幕つきで、監督&脚本家編、デザイン・チーム編、製作者&ポストプロダクション編、キャスト編と4種ある。

 まだ監督&脚本家編しか見て(聴いて)いないが、これがおもしろい。撮影の裏話もあるが、原作をどう脚色したか、DVD版でどの場面をどういう意図で復活させたかの話が主で、作品の構造が見えてくる。

 特典ディスクは2枚で、総計6時間。まだ1枚目しか見ていないが、単に長いだけでなく、中味がともなっている。

 1枚目は撮影前の準備段階関係。脚本、絵コンテ、絵コンテをビデオに撮って地元の俳優で台詞をつけた紙芝居版、さらに簡単な3D-CGによるプレビュー版、セットと衣装のデザイン、小道具の製作、ロケハンと段階を追って進んでいく。紙芝居版とプレビュー版の一部と、監督自身がビルボを演じたカメラ・テスト版がおさめられているが、事前にここまで詰めていたのである。

 『指輪物語』の挿画は多くのイラストレータが描いているが、ピーター・ジャクソン監督はアラン・リーとジョン・ハウの二人の作品を好み、スタッフに招聘する。アラン・リーは英国の小村で世捨人のように暮らしているという。前歯のない顔が愛敬たっぷりだ。

 ニュージーランドはロケだけかと思ったら、スタジオ撮影から大道具、小道具、衣装の製作、すべてやっていた。ニュージーランドに二人しかいない美術甲冑師を引っぱってくるとか、映画界のみならず、ニュージーランド文化界の総力をあげたということのようだ。羊よりも人間の方がすくないといわれている国で、こういう映画を作る力があったとはすごいことである(若いスタッフが多かったが、この映画が終わったら、どうなるのだろう)。工房にはリブ・タイラーがちょくちょく顔を見せたそうで、その映像もあるが、漆黒の髪で、普段でもスターのオーラを放っている。

 画質・音質はすばらしい。サラウンド感は雄大で、地鳴のような低音がはいっている。呪文やテレパシーの声はリアチャンネルを使うことが多く、ドキッとさせられる。

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This page was created on Mar08 2003.
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