『ビスマルク号を撃沈せよ!』

加藤弘一
*[01* 原 題<] Sink the Bismarck!
*[02* 製作年<] 1959
*[03* 監 督<] ギルバート,ルイス
*[04* 出 演<] モア,ケネス
*[04*    <] ウィンター,ダナ
*[04*    <] メーナー,カール
*[05* 製 作<] Fox
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×1
*[06  時 間<] 98分
*[06* 音 声<] 英語
*[06* 字 幕<] 日本語、英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] オリジナル予告編
*[08* 作 品<]☆☆☆☆
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆

 正月にNHKでジェイムズ・キャメロンのチームが、海底に横たわるビスマルクを潜水調査したドキュメンタリーが放映された。泥の中から艦橋や砲塔、裂けた船体がそびえるさまは、タイタニックの残骸とは別の威厳があり、見いってしまった。

 ビスマルクの沈没には轟沈説と自沈説の二つがあったが、キャメロン・チームは船体の損傷を調べた結果、自沈説に軍配をあげていた。ビスマルクには出撃してすぐに沈められた不運な戦艦というイメージしかなかったが、寿命は短くても、多くのドラマをもった船なのだった。

 ドキュメンタリーの記憶が鮮かなところに、タイミングよくこのDVDが出た。

 英海軍がビスマルクを追跡し、沈めるまでを描くが、半ば以上はロンドンの地下作戦本部が舞台で、そこに軍艦内の場面と海戦の場面をはさむという作り方で、チェスの試合を見ているような理詰の興奮がある。

 CG以前の時代だから迫力は期待していなかったが、海の場面がすくないことがいい方に転び、短いカットでつなげた実写と作り物の映像が渾然となって、みごとな緊迫感を生みだしている。

 作戦室の場面は室内劇的な印象が強い。作戦部長一人に全決定をゆだねるのが英国流らしく、着任したばかりのシェパード大佐が重責をになうことになるが、謹厳実直の堅物と見られていた大佐が攻撃機搭乗員の息子が行方不明になって弱さを見せ、アシスタントのディビス嬢との間の心に交流が生まれる。ディビス嬢を演じるダナ・ウィンターは竹久夢二風の美女で、最近の女優にはない凛とした魅力がある。

 特典はオリジナル予告編だけ。画質は情報量が多く、硬調の絵である。大画面向けの絵作りか。音質はレンジが狭い。

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This page was created on Mar30 2003.
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