アカデミー賞を7部門受賞し、脚本を担当したコッポラの出世作となったというので期待したのだが、初見時はわけがわからなかった。主人公のパットン将軍はやたらと芝居がかった爺さんで、儀式的な場面が多く、戦車戦の場面はあまりない。やっとドンパチがはじまっても、間延びしていて、迫力はとぼしい。戦争映画を期待すると裏切られることになる。
音声解説トラックにはいっている「オーディオ・エッセイ」を聞いてわかったのだが、映画にはいっていけなかったのは、パットン将軍に関する知識が欠けていたからだった。この映画は戦争映画ではなく、パットン将軍の映画だったのだ。
パットン将軍はアメリカでは乃木将軍級に知られているらしく、90分近い「オーディオ・エッセイ」を聞いた上で見直したところ、個々のエピソードにどういう意味があるのか、はじめてわかった(わかっただけで、楽しめるところまではいっていないのであるが)。
パットン将軍について知らない人は、「オーディオ・エッセイ」をまず聞いておく必要がある。
「オーディオ・エッセイ」は音声解説トラックで提供されるとはいっても、画面とは連動していない。画面を見る必要はないのだが、困ったことに、字幕を読もうとすると、映画本篇まで目にはいってしまう。
画質・音質ともはまあまあ。特典ディスクはまだ未見。