1/3程度の値段で買えるUS版で見た。これも封切以来で、8年ぶりになる。
「マトリックス」の先行作品の一つといえないことはないので、その関係で再び注目されているのだろうが、新文芸座のオールナイトで久々にかかるし、原作の単行本未収録の回をあつめた『攻殻機動隊1.5』というCD-ROM付の本まで出版される。
宮崎アニメ三本の後に見たので、最初は画面がやけに薄っぺらで、動きがぎくしゃくしていると感じたが(転送レートは宮崎アニメの半分しかない)、ストーリーに引きこまれていくにつれ、こういう世界をねらったのだとわかってくる。
原作は疑似科学的な註釈がびっしりはいった、ひどく理屈っぽいマンガだったが、ややこしい説明を省いて、ハードボイルドに徹した作りは成功していると思う。サイバーパンクの知識がまったくない人が見たらわけがわからないだろうが、そもそも、そういう人は見るはずがない。
日本版は草薙素子のかっこをつけた喋り方に異和感があったが、英語版の草薙はクールで、うまくはまっていると思う。英語版の吹替は日本版よりも好ましい印象をもった。
特典のメイキングは、スタッフ総出演のインタビュー集で、日本語音声・英語字幕である。いかにもアニメ屋さんという顔ばかりで、金太郎飴のような印象がなくはない。原作者の士郎正宗はなぜか似顔絵だけの登場。
MANGAレーベルの紹介トレーラーがはいっていたが、ジャパニメーション・マニアはこういうものを好むのかとわかって、おもしろかった。