『スワロウテイル』

加藤弘一
*[01* 英 題<] Swallowtail Batterfly
*[02* 製作年<] 
*[03* 監 督<] 岩井俊二
*[04* 出 演<] CHARA
*[04*    <] 伊藤歩
*[04*    <] 三上博史
*[04*    <] 渡部篤郎
*[04*    <] 桃井かおり
*[04*    <] 江口洋介
*[05* 製 作<] ポニー
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×1
*[06  時 間<] 148+ 分
*[06* 音 声<] 日本語5.1
*[06* 字 幕<] 日本語、英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] CGメイキング、予告編
*[07     <] プロモーション・ビデオ
*[07     <] 文書資料
*[08* 作 品<]☆☆☆☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆☆

 傑作。映画館で見たかった。

 埋立地に自然発生した不法滞在外国人のスラム街、円都エンタウンを舞台にした近未来SFである。そのほとんどは円をもとめて入国した中国人で、円盗エンタウンと呼ばれている。円都エンタウンとは円盗エンタウンの街なのだ。

 中華風近未来というと『ブレード・ランナー』が思い浮かぶが、この映画の円都は『ブレード・ランナー』の香港化したロスアンジェルスよりは村上龍の『愛と幻想のファシズム』や『五分後の世界』の無国籍スラム街に近い。グリコというシンガーがYEN TOWN BANDを作ってのし上がっていくストーリーは『コインロッカー・ベイビーズ』を連想させる。岩井俊二がこんなに村上龍の影響を受けているとは思わなかった。

 主要な役者はほとんど日本人だが、台詞は英語、中国語、日本語がごちゃまぜになっていて、CHARAと三上博史はみごとに中国人している(中国人から見たら違うだろうが)。伊藤歩もよく頑張っているが、英語がきれいすぎる。スラム育ちの無国籍児童なのだから、それらしく喋ってほしい。円都を離れて東京の中心部に来ると、急に現実に引きもどされた印象で白ける。CGにお金をかけなくても、『華氏451』のように、すこしの工夫で風景を異化することができたのではないか。

 YEN TOWN BANDの演奏はすばらしい。サントラが出ていたが、もう品切だ。封切時に見ていればと悔やまれる。

 画質・音質ともに標準。台詞は英語・中国語・日本語がまぜこぜになっているので標準状態で日本語字幕が出るが、消すこともできる。特典のメイキングは題名となったアゲハチョウのCGの製作過程だけ。特典ディスク付の特別版を買っておけばよかった。

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