田中麗奈のデビュー作。受験校に合格した主人公が女子ボート部を復活させ、二年目に県大会の決勝までいくという典型的な駄目チーム奮闘ものだが、映像が瑞々しく、奇跡的な傑作に仕上がっている。
田中麗奈がすばらしい。うまいかといえば、うまくはないのだが、この人は最初から大女優なのだ。彼女と較べると、真野きりなも含めて、他のクルーはぱっとしない。キャラがすこしも立っておらず、演出が未熟なのかもしれないが、田中麗奈に喰われたという面もありそうだ。
主題歌の「オギヨディオラ」を歌っているリーチェは韓国の歌手だそうである。「オギヨディオラ」は韓国語で船を漕ぐ掛け声だそうだが、監督は意味を知らずにこの曲を選んだという。サウンドトラックがほしかったが、これも品切である。
メイキング、文書資料とも充実している。画質・音質は普通だが、2chにしては定位がよく出ていて、疑似5.1chが効き、レースの場面など、臨場感が格段に増す。
今回、『スワロウテイル』、『アナザヘブン』、本作と、ポニーの廉価盤邦画を三枚とりあげた。三枚ともよくできていて、4700円でも惜しくないと思った。特に本作は満足度が高い。