SFの古典、ヴェルヌの『海底二万海里』を半世紀前にディズニーが映画化した作品。手に汗にぎる冒険映画に仕上がっていて、今でもおもしろい。原作が1869年で、映画製作時点ですでにレトロだったことになる。最初からレトロだと、かえって古びないのだろう。
1950年代の映画なのでSFXに期待はしていなかったが、意外にも破綻はない。水のからむ特撮は難しいといわれているが、どうも実物大のモデルを海に浮かべて撮ったらしく、リアリティがある。総統の予算をつぎこんだのだろう。
原作に忠実なのだろうと思うが、よく考えたら、子供版でしか読んでいないので、わからない。バルトがペダンチックな傑作と褒めていたような記憶がある。今度、きちんと読んでみよう。
画質は半世紀前のフィルムにしては状態がいいが、色は「総天然色」というか、ほとんどポスターカラー。音はレンジが狭く、重低音はほとんどはいっていない。音を作り直せば、SFXがもっと映えると思う。