『キャット・ピープル』 1942年版

加藤弘一
*[01* 原 題<] キャット・ピープル
*[02* 製作年<] 1942
*[03* 監 督<] トゥールヌール,ジャック
*[04* 出 演<] シモン,シモーヌ
*[04*    <] スミス,ケント
*[04*    <] ランドルフ,ジェーン
*[04*    <] コンウェイ,トム
*[05* 製 作<] IVC
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×1
*[06  時 間<] 73分
*[06* 音 声<] 英語モノ
*[06* 字 幕<] 日本語(焼付)
*[06* 画 面<] 4:3
*[07  特 典<] 文書資料
*[08* 作 品<]☆☆☆☆
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]☆☆
*[08* 音 質<]☆☆

 1981年に公開されたナスターシャ・キンスキー版『キャット・ピープル』のオリジナルで、40年前の1942年に製作されている。当時、アメリカは太平洋で日本に押されていたはずなのだが、こんなに繊細可憐なホラー映画が作られていたとは。

 ナスターシャ・キンスキー版は近親相姦で実事ありと刺激が強いが、こちらは時代が時代だけに、ヒロインでセビリア移民のイレーヌ(シモン)はキスすら拒んでいる。キスをすると、悪い心が起こって、豹に変身してしまうからだ。

 故郷の村の化猫伝説におびえるイレーヌに、新婚の夫は催眠治療を勧める。彼は口では優しいことを言っていても、キスさえできないので、同僚のアリスに引かれていき、ついには離婚を言いだす。アリス役のジェーン・ランドルフは、イレーヌ役のシモーヌ・シモンの線の細さとは対照的な肉感的な美人で、屋内プールのシーンもある。

 光と影を丁寧に彫琢していて、怖いというよりも悲しい映画なのだが、惜しむらくはヒロインが変身した豹を出してしまったこと。トゥルヌール監督は出したくなかったが、プロデューサーが強権を発動して、別の監督に豹の画像をとらせて挿入したらしい。

 特典の解説は一読の価値がある。画質は若干汚れはあるものの、1940年代のフィルムとしては良好な方だろう。

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This page was created on Feb29 2004.
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