『チャタレイ夫人の恋人』

加藤弘一 *[01* 原 題<] Lady Chatterley
*[02* 製作年<] 1995
*[03* 監 督<] ラッセル,ケン
*[04* 出 演<] リチャードソン,ジョエリー
*[04*    <] ビーン,ショーン
*[04*    <] ウィルビー,ジェームズ
*[05* 製 作<] ハピネット
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×1
*[06  時 間<] 118分
*[06* 音 声<] 英語、日本語
*[06* 字 幕<] 日本語、英語
*[06* 画 面<] 16:9 LB
*[07  特 典<] 日本語予告編
*[07     <] 文書資料
*[08* 作 品<]☆☆☆
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]☆☆
*[08* 音 質<]☆☆☆

 ご存知、D.H.ロレンスの原作の映画化。オリジナルは1993年製作の205分のTVムービーだが、日本版DVDは「劇場公開版」で、118分に再編集されている。

 ラッセルはすでに『恋する女たち』でロレンスを映画化し、階級対立を鮮明に映像化していたが、今回の作品も階級対立に主眼がおかれている。おおむね原作に忠実だが、ラストの3分間は映画の創作である。原作はこんなに希望のある終わり方はしない。

 ロレンスを不倫ポルノの口実にしなかった姿勢は評価できるが、コニーの心理描写がほとんどなく、二人はあっという間に深い関係になり、あっという間に妊娠してしまう。これは短縮版のせいかもしれない。半分近く削られているから、どこかに皺寄せがいくのはやむをえないが、階級対立とヌード場面しかないという妙な作品になっている。オリジナルはどうなのだろう。

 コニーを演ずるジョエリー・リチャードソンはヴァネッサ・レッドグレーブとトニー・リチャードソンの娘だけに、グリーナウェイの『数に溺れて』で若いながら、存在感を見せていた。5年後に撮られたこの作品では、成熟した美しさを見せて、まさに輝いている。ダイアナ妃に似た美貌なので、どうしてもダイアナ妃を重ねて見てしまった。英国人もきっとそう見たと思う。

 画質はあまりよくないが、音質は悪くない。森の場面では自然音が広がる。

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