『美の祭典』

加藤弘一 *[01* 原 題<] Fest der Schonheit-OLYMPIA TEIL II
*[02* 製作年<] 1938
*[03* 監 督<] リーフェンシュタール,レニ
*[05* 製 作<] I.V.C.
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×1
*[06  時 間<] 89分
*[06* 音 声<] 英語
*[06* 字 幕<] 日本語(焼付)
*[06* 画 面<] 4:3
*[07  特 典<] 淀川長治解説
*[07     <] 文書資料
*[08* 作 品<]☆☆
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]
*[08* 音 質<]☆☆

 「民族の祭典」の姉妹編だが、出来はかなり落ちる。体操、水泳、サッカー、馬術、一部の陸上競技をあつかうが、陸上競技と較べると、こうした種目は撮影技法の進歩が著しく派手になっているので、今見るとひどく見劣りがする。

 例によって全裸の男たちが森の中を走るイメージショットからはじまる。古式ゆかしいサウナで裸で談笑しているが、これがナチスの考える理想の若者像なのだろう。

 本編は選手村の情景からはじまるが、最初に映るのがイタリア人選手、次が日本人選手。三国同盟そのものではないか(笑)。イタリア人選手は成績がふるわなかったのか以降はさっぱり出てこないが、日本人選手は大活躍したこともあって、画面上では随分贔屓されている。水泳でドイツが金、日本が銀と銅の表彰式は大きな見せ場だ。

 高跳びこみにかなり尺を使っているが、ジャンプ台が低すぎて、隔世の感がある。見せ方も当時としては画期的だったのだろうが、今となってはマンネリだ。

 画質は「民族の祭典」より落ちる。日本語字幕は例によって焼付。

 特典の解説で淀川長治(当時ユナイトの宣伝部で「駅馬車」を担当)はライバルの東和映画が「民族の祭典」と「美の祭典」を社を挙げて宣伝していたので憎らしかったと語っている。

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