『下妻物語』

　メルヘン少女の桃子（深田恭子）とヤンキーのイチゴ（土屋アンナ）の友情物語で、深田のロリータ・ファッションと土屋のヤンキーぶりがあまりにも決まっていて話題になった。細部まで作りこんでいて、何度見てもおもしろい。

　特典ディスクはメイキング、インタビュー、サイド・ストーリーとサービス満点だが、短い素材を集めた作りで本篇と似ている。メイキングは40分ほどだが、おもちゃ箱をぶちまけたみたいで、90分見たくらいの見ごたえがある。ビデオ映像なので、フィルムの本篇とは違い、コテコテの作りこみや厚化粧が不自然に見えてしまうが、深田恭子だけは不思議に自然である。土屋アンナは本篇では怖く映っているが、同じ場面でも、ビデオだと可愛らしさがにじみでている。

　キャストのインタビューはメイキングの延長だが、主演二人はクランクイン直後とクランクアップ後の二本がはいっている。クランクアップ後はいい顔になっている。充実した撮影だったのだろう。スタッフのインタビューはDVDのために撮ったものだが、アニメのスタッフ3人は監督の無理難題に辟易したらしく、またやりたいかという質問に言葉を濁していた。

　「一角獣初恋物語」はDVDの特典のために新たに撮った短編で、阿部サダヲ演じる一角獣の竜二が高校時代、鈴木さん（金田美香）の気を引こうと、一角獣カットをはじめた経緯を描いている。大しておもしろくはないが、鞄の中にはいったり、よくやるなと思う。

　完成披露会見では主演二人は衣装はロリータとヤンキーだが、黒髪で登場するので、ちょっと妙な感じである。プロモーションのために渋谷の各所を一日、主演二人が動きまわる「渋谷ジャック」というイベントの映像もはいっている。土屋アンナは兎の着ぐるみで登場していて、可愛いらしい。ブックレットとミニ写真集は並の出来。

　画質・音質とも普通。