筑摩書房から1994年 2月に上梓した『石川淳 コスモスの知慧』は、以下の三篇の論文に大幅な加筆をくわえたものです。
ここには最初の二章に相当する原稿の雑誌発表時の形態を掲載します。第三章にあたる「陽根の賦」を省いたのは、二部構成で完結していた最初のバージョンを公開しておきたいからです。
石川淳は儒家の出であるにもかかわらず、儒学との関係に注目した研究はまったく存在せず、拙著は多分にとまどいと反発をもって受けとめられたようです。もし、興味があれば、儒学との係わりを一層追求した単行本版をお読みください。