イタリア公開版で、日本で劇場公開された国際版よりも10分ちょっと長い。日本版ディレクターズ・エディションのDVDもイタリア公開版をマスターにしているが、画質がよくないという噂なので、イタリア語版を買ってみた。英字幕がないのを危惧していたが、復活したのは字幕の必要のない場面なので、映画館で見ていれば支障ない。
画質はPALだからだろうか、美しいの一語につきる。暖色系の色彩が泰西名画の世界を髣髴とさせる。音質もよく、濃厚な空気感に包みこまれる。
特典ディスクがつくが、日本版よりもコンテンツがすくない上に、イタリア語なのでさっぱりわからない。
メイキングは単なる撮影風景の記録で、マレーナが夫の手紙を読むところを主人公が望遠鏡で覗く場面、市場をマレーナが歩く場面、自転車に乗った主人公がマレーナを見つめる場面、マレーナが落したオレンジを主人公が拾う場面をおさめている。監督の「アクチオーネ!」という声と、小鳥のさえずりくらいしか聞こえない寡黙な現場で、叙情的な場面では、俳優の気分を盛り上げるためか、テーマ曲を流している。
監督と監督&作曲家のインタビューがあるが、イタリア語なのでわからない(字幕もイタリア語だけ)。テーマ曲の録音風景は単なる記録映像。