安いUS版で見たのだが、FBIの警告につづいて、ディズニーのロゴが出てくる。同時発売の『千と千尋の神隠し』と『魔女の宅急便』の予告編が流れ、ジョン・ラセターの挨拶(大したことは言っていない)があってから、やっと本篇がはじまる。
封切以来だから、18年ぶりである。宮崎アニメの中では一番おもしろいのではないかと思っていたが、やはりそうだった。絵は今の水準からいうと粗いが、作品としてはこの頃がピークだったと思う。
英語版はドルビー5.1の効果はあるものの、声優が老けすぎている。ヴァン・ダー・ビークは『魔女の宅急便』のトンボでもどうかと思うのに、パズーはいくらなんでも無理だ。アンナ・パキンもシータにはとうが立ちすぎている。海賊の女親分、ドーラは、キャラクターと似ていなくもない皺だらけのクロリス・リーチマンだが、天下のディズニーが勧進元なのだから、ウーピー・ゴールドバーグあたりをおごってほしかった。フランス語の吹替もはいっていたが、こちらはかなり出来がいい。パズーは腕白そうな男の子で、女性の声優とは勢いが違う。
特典の吹替風景にはなぜかアンナ・パキンが登場しない。オリジナル予告編を18年ぶりに見たが、恐ろしく恥ずかしいナレーションがはいっている。あれはパロディのつもりだったのだろうか。