宇宙飛行士版『ローズマリーの赤ちゃん』だった。最後はSFになるが、基本的にマタニティ・ホラー。
伝統芸能のようなもので、ある枠の中で洗練と技巧を磨きあげている。脚本、演出、カメラワーク、編集、セット、音楽、すべてよくできていて、みごとというしかない。
ほとんど出ずっぱりのシャーリーズ・セロンのあっさりした演技が、じわじわ恐怖を盛りあげる演出にぴったりはまっている。ジョニー・デップはこういう伝統芸能にはもったいない気がする。
画質・音質は良好。地の底から湧きあがってくるような重低音が雰囲気を盛りあげる。
特典に別エンディングが2パターンはいっている。最初のパターンは正式版のバリエーションだが、説明過剰で、安っぽくなっている。この映画が微妙な匙加減でできているということがよくわかる。二番目のパターンは伝統芸能の枠をはずれようとしたらしいが、勇み足になっている。