『ある貴婦人の肖像』

加藤弘一
*[01* 原 題<] The Portrait of a Lady
*[02* 製作年<] 1968
*[03* 監 督<] ジョーンズ,ジェイムズ・セラン
*[03* 原 作<] ジェイムズ,ヘンリー
*[04* 出 演<] ネヴィ,スザンヌ
*[04*    <] チェンバレン,リチャード
*[05* 製 作<] IVC
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×2
*[06  時 間<] 240分
*[06* 音 声<] 英語モノ
*[06* 字 幕<] 日本語(焼付)
*[06* 画 面<] 4:3
*[07  特 典<] 文書資料
*[08* 作 品<]
*[08* 特 典<]
*[08* 画 質<]×
*[08* 音 質<]×

 ヘンリー・ジェイムズの『ある夫人の肖像』のをBBCがTV化した作品で、1968年に放映されている。

 35年前のTVドラマだから、多くを求めることはできないにしても、お粗末すぎる。ジェーン・カンピオン版を見た後ということもあって、冗談としか思えない。

 ほとんどがスタジオのセットなのだが、安物のテーブルに椅子、作り物の柱、蔦を貼りつけて壁に見せかけた衝立と、ありあわせの大道具でやりくりしている。衣装も出来あいのものらしく、安っぽい上に、役柄とあっていない。主演のスザンヌ・ネヴィも不満を感じていたのだろう、本物の庭園を使ったウォーバトン邸の場面だけ、妙に演技が生き生きしていた。

 ディスクは2枚組で、それぞれ120分づつ収録されている。1枚目はオズモンドとの結婚まで、2枚目は結婚以後で、原作を忠実に脚本化しているようだ。わかりやすいことはわかりやすいが、平板で、退屈してくる。

 台詞はゆっくりで、発音がはっきりしているので、語学教材として使えるかもしれない。ただ、教材としては英字幕がないのが痛い。

 画質は極悪。IVCは10年前の3倍速ビデオ並みといわれているが、まさにそのレベル。ドロップ・ノイズが頻発する上に、色が抜けている。ここまでひどいと、家庭用ビデオをマスターにしているのではないかと疑いたくなる。音質もハイファイ以前のVHS三倍速並み。この程度だったら、ディスクを2枚にわける必要はなかったのではないか。

 特典は英文学者の解説が文書としてはいっているが、百科事典のレベル(文庫版の解説の方がはるかに詳しい)。

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This page was created on Apr30 2003.
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