1949年、神戸生まれ。早大一文演劇科卒。小説家、翻訳家、エッセイスト。大学では映画を専攻。卒業後、千駄ヶ谷にジャズ喫茶を開き、サラリーマンになることなしに生計手段を確保する。1978年、『風の歌を聴け』で「群像」新人賞を受ける。
作家専業に転じ、『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞受賞。ビートルズの曲と敬愛するフイッツジェラルドの『夜はやさし』から着想をえて書きあげた『ノルウェイの森』は一千万部をこえる記録的なベストセラーとなる。この前後からマスコミに追いまわされるわずらわしさをさけ、海外での生活が多くなる。
初期の作品はカート・ヴォネガットやリチャード・ブローティガンを髣髴とさせるものがあったが、デビュー作の第一稿は英語で書いたといわれているように、アメリカ文学の造詣が深く、レイモンド・カーヴァーの全集を翻訳したほか、フイッツジェラルドやジョン・アーヴィングの紹介にも力をつくす。