アンケートで、文字コードのページは「項目の見出しから本文がわかりづらいので、概要でも書いて頂けたら」というご意見をいただきました。このコーナーはすでに新書版二冊半の分量があって、読破するのは難しいと思いますし、主宰者側としても、内容的に古くなって、参考のためだけにおいてあるページより、最新の情報を盛りこんだページの方を読んでいただきたいと考えております。
そこで、どこをどう読んだらいいか、案内専門のページを作ることにしました。なお、このページは随時更新しますが、内容紹介にとどまるので、「更新履歴」の対象外とします。
「二千年紀の文字コード問題」と「小は大をかねるか?」をお読みください。この二つだけで、概略はほぼわかるでしょう。
もうすこし詳しく知りたい場合は、「文字は無制限に増やすべきか?」を読んでから、情報処理学会情報規格調査会のサイトで公開している「文字コード標準体系検討専門委員会」の報告書をお読みになってください。仏典電子化という専門的な話題が中心ですが、「電子テキストの海へ」はひじょうに示唆するところの深いインタビューと思いますので、ぜひお読みください。
また、新書として上梓した拙著『電脳社会の日本語』もお勧めします。
JIS漢字コードの歴史については、「文字コード問題早わかり」の漢字篇と続・漢字篇にまとめてありますが、 1998年で更新をやめ、その後の取材と調査の結果は反映させていないので、内容的に古くなっています。あくまで参考として掲載をつづけますが、歴史について知りたい方は、拙著『電脳社会の日本語』の二〜六章をお読みください。
78JISの制定の中心におられた林大氏のインタビュー「78JIS誕生秘話」と、西村恕彦氏のインタビュー「パイオニアの時代の文字コード」を読んでから、83JISの暴挙についてふれた「常用漢字表とJIS X 0208の83年改正に関する文化庁の見解」を読み、JIS補助漢字の背景について語った田島一夫氏のインタビュー「漢字シソーラスの水脈」を読むことをお勧めします。また、第1水準・第2水準の振わけの基礎資料を作られた矢島敬二氏のインタビュー「漢字・アラビア文字・モンゴル文字」も併読されるとよいでしょう。インタビューと「早わかり」で記述が食違っている場合は、インタビューの方が正しいです。
現時点における問題点については、「二千年紀の文字コード問題」と「小は大をかねるか?」、「シフトJISをいかに軟着陸させるか」をお読みください。
ユニコードについては、「文字コード問題早わかり」のユニコード篇にまとめてありますが、内容的に古くなっており、事実関係に間違いがあります。「文字コード年表」の方が正しいので、年表と照らし合せながら読んでください。ISOの標準化活動については、棟上明男氏のインタビュー「「文字は無制限に増やすべきか?」」を、CJK統合漢字の背景については、田島一夫氏のインタビュー「漢字シソーラスの水脈」をお読みください。正確な経緯を知りたい方は拙著『電脳社会の日本語』第五章をお勧めします。
漢字に関する問題点は「小は大をかねるか?」を、多言語処理に関する問題点は「多言語テキスト処理はどこまで可能か」をご覧ください。
漢字処理の動向については、「電子テキストの海へ」と「『アジアの漢字と文献処理』レポート」、そして「電房具案内」に掲載した「『超漢字』管見」をご覧ください。
印刷の視点から見た漢字処理については、申申閣の市川浩氏のインタビュー正假名遣と正漢字と」をお読みください。
一部、重複がありますが、「多言語テキスト処理はどこまで可能か」と「ICMTP'98レポート」をお読みください。「二千年紀の文字コード問題」のISO 2022対ユニコードにも、関連の記述があります。アラビア語の先駆的なシステムを構築された矢島敬二氏のインタビュー「漢字・アラビア文字・モンゴル文字」も参考になります。
「超漢字」の多言語機能についてのコメントは、「超漢字」の「多言語」と称する機能について」と「『超漢字』管見」をどうぞ。
戸籍や住民台帳の電算化については、柏市役所加藤仁昭氏のインタビュー「戸籍に外字の必要な人はどれだけいるか?」を、電子図書館については、国会図書館田屋裕之氏のインタビュー「電子図書館の胎動」をご覧ください。電子書籍については「電子書籍の衝撃」と「電房具案内」に「すでにはじまっている未来 もう一つの電子書籍プロジェクトBook World」がありますが、内容的に古くなっています。拙著『電脳社会の日本語』の第一章をお読みいただければ、1999年末時点までの情況をまとめてあります。
国語国字問題については、申申閣の市川浩氏のインタビュー正假名遣と正漢字と」をお読みください。詳しく知りたい方は拙著『電脳社会の日本語』の第四章をお読みください。